2006.11.17 Fri
「刑務所の中」雑感その2
16日に「刑務所の中」を読んだ感想をエントリーした後、読後の感動覚めやらぬままに、面白かった理由をつらつら考えている。既に次の「刑務所の前」第1集も読み始めているのだが、こちらはまた違った面白さなので、今のうちに「刑務所の中」で感動した理由を自分なりに考えておきたい。
ふと思い出したのだが、一つ面白かった事を書き忘れていた。刑務所の中というのは、僕達の日常と比べると個人の自由が制限されている。かなり禁欲的な場所だ。方向性は違うが、禁欲的という点においてはある意味お寺の修行僧のような生活だ。
刑務所内においては最低限の衣食住の保証はされているが、それ以上の欲望は制限されている。下着の一部を除いては官から支給された衣類を身につけ、学校給食のように決められた麦飯中心のメニューを食べ、小さな棚が一つ与えられて数冊の本を持つ事ができる。決められた時間に運動し、入浴は2日に1回15分まで。酒、タバコはもちろん禁止。その他、刑務労働を含む日常のあらゆる行動は、ガチガチの規則によってコントロールされている。
そうやって禁欲していくと、人間の価値判断というのは相対的だから、ちょっとした刺激でも非常に感動する事ができる。獄中では「甘シャリ」と呼ばれているが、かりんとうやチョコなど甘いお菓子は何であれ、思うように食べる事ができないので、たまに口にすると、脳みそが溶けそうなくらい美味しく感じる、と作品の中で語られている。
またあるいは、麦飯に醤油をたらすとすごく美味しいという発見をして興奮したりする。その他、月に6回のパン食や囚人の等級が上がると1〜2ヶ月に1回観られる映画なども、大変な楽しみである事が克明に描写されている。娑婆で暮らす僕達にとっては改めて意識する事もないような日常の習慣が、刑務所という禁欲的な空間では至福の悦楽となりうるのである。
こういった拘束力の強い禁欲的な生活と、比例して大きくなる楽しみの関係が非常に興味深かった。簡単に言えば、「空腹は最大の調味料」ということか。美味しいものを求めて次々と大きな刺激を求めていくグルメな行動より、空腹感と粗食で創意工夫を重ねる方がもっと楽しい毎日を過ごせるし、より深い内面の豊かさが得られるのではないか、という事だ。これがこの漫画を読んで僕が感動したもう一つの理由なのだった。
刑務所内においては最低限の衣食住の保証はされているが、それ以上の欲望は制限されている。下着の一部を除いては官から支給された衣類を身につけ、学校給食のように決められた麦飯中心のメニューを食べ、小さな棚が一つ与えられて数冊の本を持つ事ができる。決められた時間に運動し、入浴は2日に1回15分まで。酒、タバコはもちろん禁止。その他、刑務労働を含む日常のあらゆる行動は、ガチガチの規則によってコントロールされている。
そうやって禁欲していくと、人間の価値判断というのは相対的だから、ちょっとした刺激でも非常に感動する事ができる。獄中では「甘シャリ」と呼ばれているが、かりんとうやチョコなど甘いお菓子は何であれ、思うように食べる事ができないので、たまに口にすると、脳みそが溶けそうなくらい美味しく感じる、と作品の中で語られている。
またあるいは、麦飯に醤油をたらすとすごく美味しいという発見をして興奮したりする。その他、月に6回のパン食や囚人の等級が上がると1〜2ヶ月に1回観られる映画なども、大変な楽しみである事が克明に描写されている。娑婆で暮らす僕達にとっては改めて意識する事もないような日常の習慣が、刑務所という禁欲的な空間では至福の悦楽となりうるのである。
こういった拘束力の強い禁欲的な生活と、比例して大きくなる楽しみの関係が非常に興味深かった。簡単に言えば、「空腹は最大の調味料」ということか。美味しいものを求めて次々と大きな刺激を求めていくグルメな行動より、空腹感と粗食で創意工夫を重ねる方がもっと楽しい毎日を過ごせるし、より深い内面の豊かさが得られるのではないか、という事だ。これがこの漫画を読んで僕が感動したもう一つの理由なのだった。
![]() | 刑務所の中 花輪 和一 (2000/07) 青林工芸舎 この商品の詳細を見る |
| 映画・音楽・本 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑



