2007.01.30 Tue
寄生獣:コミック
![]() | 寄生獣 (1) 岩明 均 (1990/07) 講談社 この商品の詳細を見る |
漫画好きの友人達やmixiの漫画コミュで、傑作として評判のいい「寄生獣」。全10巻を会社の同僚から借りて読んでみました。
まず最初、パラパラッとページをめくってみると、絵がヘタ…ていうか、稚拙で不器用な感じ。「おいおい、大丈夫なのかコレ。本当に面白いのか?」というのが正直な感想。
そして実際に読み始めてみると、何と言ったら良いのか、不思議な吸引力でグイグイ作品世界に引き込まれてしまいます。んー、間の取り方、ストーリーテリング、コマの構成が上手いですね。パッと見、絵がヘタだなぁ…なんて思っていたその印象は、物語を読み進むにつれて逆転し、この絵だから面白いのかも…とさえ思うようになってしまったのです。
《↓ここからは、ネタバレ注意》
物語は、人間の頭部に寄生したパラサイトが、宿っている主人を乗っ取り、肉体を武器に変異させながら次々と人を襲い、殺して食べていくという設定。かなり荒唐無稽ですが、演出が上手いためきちんと現実味を感じながら、サクサク面白く読めます。
主人公は高校生で、彼の場合はたまたま腕に寄生されます。頭部ではなく腕に寄生したパラサイトは宿主を乗っ取る事が出来ず、体内に宿る異物として共生し始めます。ミギーという名のそのパラサイトは、情はないけど好奇心が旺盛で、野生生物のような独特の習性を持って行動します。そうして、人間側とパラサイト側、両方の視点を持った主人公は、様々な試練に耐えながら人間や社会、地球に対して様々な問いかけをし葛藤します。
読者は最初、パラサイトを「寄生獣」だと思って読み進みます。ところがパラサイトの方から逆に人間を見た時、人間こそが地球に寄生するパラサイトなんだという事に気づかされます。人間が他の動物を殺し、その死骸を切り刻んで食べる行為と、パラサイトが人間を食べる行為の、どこが違うのでしょうか?おまけに人間は戦争をして互いを殺し合い、資本主義経済の競争を通して自然を乱開発し、環境を汚染しているのです。
この作品の良いところは、先の読めない展開でドキドキするエンターテイメントに徹しながら、環境や宗教、政治や哲学といった様々なジャンルのテーマを内包しているところ。ワクワクしながらストーリーを追ううちに、いつの間にか「僕達はどこからやって来て、どこに向かうのだろう?」とか、「生きるという事は、必ず何かの生命を奪っているんだ」といった哲学的な問題を真剣に考えてしまうのでした。
一つ気になったのは、以前読んでエントリーした「ARMS」との共通点。どちらも荒唐無稽な、漫画ならではの思い切った設定。「ARMS」の主人公も腕にナノマシンが移植されていて、それが武器に変形するし、常に戦いの意味や自分たちの存在意義を問うています。
ちなみに、僕が読んだ寄生獣(全10巻)は既に絶版。代わりに寄生獣・完全版(全8巻)が刊行されています。
◇寄生獣(1)完全版

Wikipediaであらすじや主要登場人物、パラサイトに関する解説が読めます。
◇Wiki:寄生獣
さて、このところなぜかスプラッターなアクションばかり読んでいます。名作ばかりとはいえ、少々心が疲れて来ました。次に読むコミックは「ハチミツとクローバー」の予定。もう既に全集を借りてきてますので、ほんわか癒されるとしましょうか。
そして実際に読み始めてみると、何と言ったら良いのか、不思議な吸引力でグイグイ作品世界に引き込まれてしまいます。んー、間の取り方、ストーリーテリング、コマの構成が上手いですね。パッと見、絵がヘタだなぁ…なんて思っていたその印象は、物語を読み進むにつれて逆転し、この絵だから面白いのかも…とさえ思うようになってしまったのです。
《↓ここからは、ネタバレ注意》
物語は、人間の頭部に寄生したパラサイトが、宿っている主人を乗っ取り、肉体を武器に変異させながら次々と人を襲い、殺して食べていくという設定。かなり荒唐無稽ですが、演出が上手いためきちんと現実味を感じながら、サクサク面白く読めます。
主人公は高校生で、彼の場合はたまたま腕に寄生されます。頭部ではなく腕に寄生したパラサイトは宿主を乗っ取る事が出来ず、体内に宿る異物として共生し始めます。ミギーという名のそのパラサイトは、情はないけど好奇心が旺盛で、野生生物のような独特の習性を持って行動します。そうして、人間側とパラサイト側、両方の視点を持った主人公は、様々な試練に耐えながら人間や社会、地球に対して様々な問いかけをし葛藤します。
読者は最初、パラサイトを「寄生獣」だと思って読み進みます。ところがパラサイトの方から逆に人間を見た時、人間こそが地球に寄生するパラサイトなんだという事に気づかされます。人間が他の動物を殺し、その死骸を切り刻んで食べる行為と、パラサイトが人間を食べる行為の、どこが違うのでしょうか?おまけに人間は戦争をして互いを殺し合い、資本主義経済の競争を通して自然を乱開発し、環境を汚染しているのです。
この作品の良いところは、先の読めない展開でドキドキするエンターテイメントに徹しながら、環境や宗教、政治や哲学といった様々なジャンルのテーマを内包しているところ。ワクワクしながらストーリーを追ううちに、いつの間にか「僕達はどこからやって来て、どこに向かうのだろう?」とか、「生きるという事は、必ず何かの生命を奪っているんだ」といった哲学的な問題を真剣に考えてしまうのでした。
一つ気になったのは、以前読んでエントリーした「ARMS」との共通点。どちらも荒唐無稽な、漫画ならではの思い切った設定。「ARMS」の主人公も腕にナノマシンが移植されていて、それが武器に変形するし、常に戦いの意味や自分たちの存在意義を問うています。
ちなみに、僕が読んだ寄生獣(全10巻)は既に絶版。代わりに寄生獣・完全版(全8巻)が刊行されています。
◇寄生獣(1)完全版
Wikipediaであらすじや主要登場人物、パラサイトに関する解説が読めます。
◇Wiki:寄生獣
さて、このところなぜかスプラッターなアクションばかり読んでいます。名作ばかりとはいえ、少々心が疲れて来ました。次に読むコミックは「ハチミツとクローバー」の予定。もう既に全集を借りてきてますので、ほんわか癒されるとしましょうか。
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